メディア・コミュニケーション学科3年生のJ.Sさんの作品が、チャペルポスター・コンテストの院長賞を受賞しました。このコンテストは、福岡女学院の学びの中心であるチャペル礼拝をよりよくするために、学生作のポスターを広く募集するものです。メディア・コミュニケーション学科生の院長賞受賞は、2016年度に続いて2年連続の快挙でした。
学院の歴史を刻むパイプオルガンを堂々と描いたJ.Sさんの受賞作からは、チャペルの厳かな雰囲気が伝わってきます。どのようにこの作品が生まれたのか、ご本人に話をうかがいました。
・まずは受賞おめでとうございます!
ありがとうございます、本当にうれしかったです!
・パイプオルガンを仰ぎみるような構図が印象的です。
このアイディアは、応募を決めたときには思いついていましたか?
構図にはすごく悩んだのですが、チャペルと聞いて頭に浮かんだのは、やっぱりパイプオルガンでした。高校生時代に初めて見たときに、とにかく圧倒された記憶があります。普段のチャペルで見慣れたものでも、いざ描くとなると苦労しました。
・たしかに、細かい意匠も多くて複雑なつくりですよね。
はい。なので、写真を撮って、それを参考に描きました。実物の印象を表現するのは、本当に難しかったです。
・どんな画材を使って描いたのでしょうか?
ごく普通の色鉛筆です。私は色鉛筆やクレヨンを使って絵を描くことが多くて、水彩色鉛筆を使うこともあります。
そうですね。でも、描いた絵をスキャンして色をつけたり、文字を加えたりと、デジタル化して加工する場合もあります。今回もコピーとのバランスですごく悩みました。
・なんと、コピーも一緒に応募していたのですね……!
はい。チャペルでもらう紙(チャペル週報)をすみずみまで読んで、「つながり」を表現しようと決めました。そこから言葉を選ぶのがまた難しくて、絵のアイディアよりも悩んだかもしれないです。
・イラストだけでなく、コピーライティングやレイアウトまで、
オールラウンドに制作を手がけていたとは驚きです。
絵やデザインの勉強は、大学に入る前からも続けていたのでしょうか?
絵を描くのは小さいころからずっと好きでした。昔から絵本が大好きで、その影響だと思います。でも、大学に入るまでは専門的に絵を学んでいたわけではありません。高校3年生のときにお別れ会を企画していて、その招待状を描いてみないかと先生に頼まれたことが、今思えば最初の「ものづくり」だった気がします。
・絵本好きの子供時代から一歩進んで、
さらに絵やデザインに興味を持つようになったきっかけは?
この学校のオープンキャンパスで見た大学案内の冊子です! そこに載っていたイラストを描いたのがメディア・コミュニケーション学科の学生だと知って、「私も大学生になったらこんな絵を描いてみたい!」と思ったんです。
・実際に、昨年の大学案内ではJ.Sさんが描いたイラストが使われていましたね。
はい。この大学案内のイラストも公募でした。私は当時1年生でまだ技術もなく、普通の色鉛筆と水彩色鉛筆を使い分けて描いた絵を、紙のままで提出しました。上級生の方はデータで提出していたようなので自信がなかったのですが、大学案内の扉絵を描くのは入学前からの念願だったし、学科の特色を表現できるように試行錯誤しながら一生懸命とりくんだ絵だったので、採用されてすごくうれしかったです。
最後に、印象に残っている学科での経験をひとつ教えてもらえますか?
んー、好きな授業や思い出がたくさんあるので悩みますが…………2年生のときに見学した、金藤先生の「デザイン演習II」が印象に残っています。
この授業では、金藤ゼミの3年生が学科を紹介する雑誌づくりに取り組んでいました。私はその様子を拝見するだけでしたが、上級生の方々は構成も挿絵も全てを自分たちで決めて動いていて、紙の質感ひとつに至るまでじっくり吟味していました。漫画をとり入れているページもあったり、いろんな要素があって、広告や雑誌の編集はつくづく奥が深いと感じました。 色鉛筆のやさしい絵のタッチそのままに、J.Sさんご本人もやわらかなナチュラルトーンで、ていねいに取材に応じてくれました。3年生に進級してからは金藤ゼミに所属し、先輩たちのように創作に打ち込みながら、今度は頼もしい背中を新しい世代に見せてくれることでしょう。新しい作品ができたら、またぜひ見せてくださいね。楽しみにしています!
(学科Today 編集担当)