学科 Today

  1. HOME
  2. 学科 Today
  3. 人間関係学部
  4. 心理学科
  5. 『心理統計応用』を学んで

2017.01.11

心理学科

『心理統計応用』を学んで

 本学科では、前期に『心理統計基礎』、後期に『心理統計応用』という演習科目が準備されています。日本では文系に位置づけられる心理学科で統計を学ぶと聞くと、「なぜ数理処理的な統計学が必要なの??」と疑問に思ったり、「数学が苦手な自分がついていけるの…?」と不安に感じられたりする方もいます。後者の不安については、すべての学生が平均値(算術平均)しか知らない状態からゆっくり学んでいきますのでまず問題ありませんが、前者の疑問について在校生はどのように感じているのでしょうか。
 本年度、『心理統計基礎』『心理統計応用』を受講したY.C.さん(福岡県立明善高等学校出身)に心理統計についての考えを寄せてもらいました。Y.C.さん、ありがとうございました!
(文責:分部)
 
s_today160111.jpg
 
 心理学は「人間の理解」をめざす学問と言われますが、人間の理解をめざすにあたり、人間の行動に関する実証的データの取得と分析が必要になる、これが心理統計の必要性ではないかと思います。
 心理学では人を理解するために実験や調査を行い、データを集めますが、人のデータには大きな測定誤差と個人差が含まれています。そのため有意性検定を行うことで、得られたデータが測定誤差と個人差以上のものであるかどうかを客観的に判定する必要が生じます。得られた平均値などをそのまま鵜呑みにするのでも、個人的で曖昧な基準で判定するのでもなく、「統計」というバイアスの少ないものを通して客観性のある判断を行うということです。これにより、人間が陥りがちな、先入観などによってモノの見方が偏るといったことも避けることができます。
 『心理統計応用』を学ぶまでは、心理学で統計処理を行うなど思ってもいませんでした。しかし、心理学という一つの学問の中には数値的処理も含む様々な分野があること、これが心理学のおもしろさではないかと日々感じています。また、心理統計は様々な実験や調査などで得たデータをもとに人間の理解をめざす心理学の原点でもあると思います。心理統計は私にとって心理学の幅をさらに広げるものになっています。
(Y.C.さん:福岡県立明善高等学校出身)