8月の国内フィールドワークの二日目は最初に今年、G7エネルギー大臣会合が開催されたリーガロイヤルホテル小倉で総務人事ご担当の加来マネージャーからホテル業界についての講義をいただきました。
近代的なホテルの歴史から説き起こしていただき、「賓客のための近代的なホテルを大阪に」という大阪政財界の要望を受けて開業した新大阪ホテルを前身とするリーガロイヤル・グループとリーガロイヤルホテル小倉の歩みについてご紹介いただいた後、宿泊(フロント、フロア・サービス、予約、客室)と宴会(宴会サービス、ブライダル、予約、宴会調理)、レストラン(サービス、コック)で構成されるホテルの仕事について、ケネディ駐日アメリカ大使の訪問や著名な歌手・タレントの方のディナーショーの際のエピソードなどを交えながら解説いただきました。
ホテル業界で働く人に求められる資質についていては「チームワークとホスピタリティです」とされたうえで、「自分が困ったときに助けてもらったことは強く印象に残ります。お客様への親切はホテルへの高評価にもつながります。お客様の心のなかを見抜いて求められているサービスを提供することが大切です」とお話しいただきました。卒業生が多く活躍している航空業界やホテル業界、旅行業界などのサービス業を目指している学生も多く、メモを取りながら真剣な表情で聞き入っていました。
S.Nさん(佐賀県立鳥栖高等学校出身)
リーガロイヤル・グループの会社概要や部門ごとの業務、ホスピタリティについて貴重なお話を聞くことができて、とても有意義な時間となりました。実際にあったエピソードなども交えながらお話しいただいたのでわかりやすく、面白かったです。Y.Yさん(福岡県立久留米高等学校出身)
G7エネルギー大臣会合や様々なホテルで行われるイベントの裏側のことを含め、ホテル業について詳しく学ぶことができました。今回、実際にリーガロイヤルホテル小倉に1泊してからの講義でしたので、お話の内容がより理解しやすかったと思います。続いて、北九州市の活性化に取り組んでいる公的機関である北九州活性化協議会を訪問し、山崎専務理事から「市域活性化における公的セクターの役割-新しい公共によるソーシャルキャピタルの創造」と題して、米国を中心とするグローバル資本主義が格差の拡大を生み、21世紀にふさわしい資本主義の再設計が求められるなか、これまで行政が管理的に提供していた公共サービスが財政悪化や行政需要の拡大などから制度疲労を起こし始めており、これからは企業と市民がその意志と責任で担い合う「新しい公共」という考え方に基づく街づくりが必要になると解説いただきました。
北九州地域は産業の空洞化、少子高齢化など現在の日本が抱えている課題に早くから直面した地域でもあり、そこで長年にわたり公共政策に携わってこられた山崎専務の講義はこれからの社会を担う学生たちに強い印象を与えたようです。