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2016.09.12

国際キャリア学科

国内フィールドワーク「Japanese Career Fieldwork」③ −プログラム 2日目(北九州市)

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国際キャリア学科3年生を対象とした専門科目「Japanese Career Fieldwork」(国内フィールドワーク、担当:山口)では5月に実施した航空産業について学ぶための北九州空港、日本航空、スターフライヤーでの研修に続き、先月は国際ビジネスの促進を担っている北部九州地域の企業、公的機関、産業関連施設などを訪問し、国際ビジネスについて実地で学ぶ授業を行いました。

第一日目となる8月22日は、はじめに独立行政法人国際協力機構(JICA)九州国際センターを訪問し、スリランカで青年海外協力隊員として勤務した経験をお持ちの飯野純子様より日本の開発途上国支援とJICAの役割、そしてご自身のご経験をもとに青年海外協力隊の活動、さらにはスリランカの人々の暮らしや国民性に至るまで、スリランカのシンハラ語での挨拶や民族衣装サリーの着付け体験なども含めながら、わかりやすく解説いただきました。

講義のあとは、研修員の宿泊施設やレクリエーション施設、レストラン、図書館なども完備している九州国際センターをご案内いただき、学生たちはちょうど日本語、ロシア語、スペイン語の三か国語で行われていたカザフスタンと中南米各国からの研修員へのオリエンテーションも見学させていただきました。学生のなかには南川ゼミで国際協力を研究している学生もいて、真剣な表情で聴講し、見学していました。

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JICA九州の施設とロシア語、スペイン語が飛び交う研修風景を見学

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JICA九州国際センターの活動の柱として北九州地域に集積する環境技術や省エネルギー技術の分野での協力があります。同センターのレストランでボスニア料理、ケニア料理、イスラーム教徒(ムスリム)向けのハラール料理を体験した学生たちは、続いてその環境技術の発展と集積の歴史を学ぶため、八幡地区にある環境ミュージーアムに向かいました。

環境ミュージーアムでは北九州市役所で環境行政に携わってこられた中薗館長から展示物を解説いただきながら、北九州における環境技術の発展と集積について講義していただきました。北九州地域は1901年の官営八幡製鉄所の設立を機に重化学工業を中心に発展し、戦後は四大工業地帯の一つとして高度経済成長の牽引役を果たしました。しかし、製造業の発展は深刻な公害ももたらし、1960年代には空は煤煙に覆われ、沿岸に工場が立ち並ぶ洞海湾は廃水で汚染し、「死の海」と呼ばれました。

その後、環境保護を求める住民運動を機に市民、行政、企業が一体となって公害対策に取り組んだ結果、環境は急速に改善され、青い空が戻り、大腸菌ですら死滅するといわれた洞海湾で採れた魚が店頭に並ぶまでになりました。こうして集積した環境技術は国際的にも注目され、北九州市は環境面での途上国協力を推進しています。学生にとって、公害防止の運動に立ち上がり、行政や企業を動かしたのが子どもの健康を心配した母親たち、すなわち半世紀も前の同じ女性たちだったということが特に印象に残ったようです。

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続いて環境ミュージーアムに隣接する八幡製鉄所東田記念高炉を見学しながら、長年にわたり新日鐵住金の経営者、技術者として活躍されてきた北九州国際技術協力協会の工藤参与より環境技術に先立って北部九州地域の産業集積の牽引役となった鉄鋼産業の発展と現状について講義いただきました。

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Japanese Career Fieldwork日程
 
5月28日「航空会社と空港の業務について知る」
10:00-16:00 北九州空港
・講義:「世界と日本の航空産業の歴史」「空港運営と北九州空港の概要」「航空会社への就職活動」
・施設見学、客室乗務員業務研修体験(スターフライヤー乗務員訓練施設)
8月22日「国際協力と日本の技術の可能性について知る」
10:00-14:00 JICA(国際協力機構)九州国際センター
・講義:「JICAの業務と役割」「青年海外協力隊での体験」
・JICA九州研修施設、研修風景(カザフスタン、中南米各国)の見学
15:00-16:00 北九州市環境ミュージーアム
・講義:「北九州の環境技術の発展と集積」
16:15-17:30 八幡製鉄所東田記念高炉
・講義:「日本の製鉄技術の発展と現状」
8月23日「地域活性化と国際物流・貿易について知る①」
9:00-10:00 リーガロイヤル・ホテル小倉
・講義:「ホテルの業務と求められる人材」
10:20-12:00 北九州活性化協議会(KPEC)
・講義:「地域活性化と公的セクターの役割」
12:30-14:00 北九州港太刀浦コンテナターミナル
・講義:「北九州の港湾と海上物流」
・コンテナターミナル見学
14:00-16:00 門司税関
・講義「税関の業務と求めている人材」
・大型X線検査装置、開披検査場、田浦出張所の見学
16:00-17:00 旧門司税関・税関資料室
8月24日「地域活性化と国際物流・貿易について知る②」
9:00-12:00 佐賀銀行
・講義「銀行の業務と佐賀銀行」「佐賀県経済の現状と見通し」
・ビジネスマナー研修、模擬面接
・銀行業務の現場の見学
13:30-15:00 佐賀県庁
・講義「県庁の企業支援業務と農産物等輸出支援業務」「フィルムコミッション業務」
15:30-17:00 佐賀県国際経済・国際交流機関訪問
・日本貿易振興機構佐賀事務所
・佐賀県貿易協会
・佐賀県国際交流協会