学科 Today

2016.06.04

国際英語学科

Studying English ... What for?

大学の英語学習は高校までの学習と何がどう違うのでしょうか?

新学期が始まり1ヶ月半が過ぎました。国際英語学科の1年生は毎日英語漬けの生活が続いています。多くのスキル科目にE-learningを使った授業外学習。それにインターネットを使った個人学習が続きます。

そんな中で、大学での英語学習に当惑している学生もいます。なぜでしょうか?これまで一生懸命受験勉強に励んでいた学生ほどこのギャップを感じているようです。

高校までの勉強は3,000語〜4,000語のアカデミックな単語で書かれた物語文や論説文を教材として使ってきました。リーディングの授業であれば、読んだ後に内容理解問題が与えられ、その中から正解を1つ選ぶという授業です。

大学の授業ではこれ以外に「生活」という要素が加わります。「ことば」は生活の中で使われているので、ジャンルを問わず英語を学ぶのです。例えば、上の写真のバスの後部に書かれている英語。

This bus is very green. A sexy particulate trap thingy makes this exhaust cleaner than a vicar's sermon. Oxford park & ride

「このバスはグリーンです」と書かれています。確かにバスは緑色です。Green には「緑」という以外に「環境に優しい」という意味があるのはおわかりだと思います。環境への配慮をアピールした宣伝です。それも Very という単語を挿入するなど遊び心を忘れていません。ただ、ここで終わってはいけないのです。これを読んだときに即座に「環境に厳しい目」があることを察知しなければなりません。

それから「特殊な触媒」を Sexy という語で修飾し、「教会の説教よりクリーンだ」なんて書いています。「教会の説教」がこんなところに出てくるのは意外です。キリスト教国(写真はイギリス・オックスフォード。したがって英国教会ですが)の文化背景が分かって初めて文に含まれたいくつかの意味が分かってきます。どう解釈するかは読み手に任されます。

もう1つ「Park & Ride」の Park というのは「公園」ではなく「駐車」です。そう、オックスフォードは交通渋滞と公害から街を守るために、市外から通勤する人たちに郊外の駐車場に車を止めてもらい、あとは「環境に配慮したバスで移動してください」という運動をしています。

このようにただ英語を日本語に訳せば意味が分かるというものではないのです。大学での学習は「ことば」そのものを勉強するだけでなく「ことば」の背景にある「文化・生活・歴史」など様々な知識を学んでもらいます。そうするなかで「高度な英語力」が習得できるのです。国際キャリア学部には長期・短期の留学プログラムがあります。こうした機会も利用して是非「社会で使える英語力」を身につけてください。