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2015.10.02

国際キャリア学科

授業紹介:フレッシャーズ・セミナー(国際キャリア・地域研究分野)

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フレッシャーズ・セミナー(国際キャリア・地域研究分野)

国際キャリア学科の1年生を対象としたフレッシャーズ・セミナーでは、国際キャリア・地域研究、国際協力、異文化コミュニケーションの各専門分野に関する入門的な授業を行っています。

このうち国際キャリア・地域研究(担当:山口)では、夏休みにふたつの課題を与えました。
ひとつは日本にとって重要な石油資源の供給国であり、成長を続ける有望市場としても注目されているアラブ首長国連邦に関し、その概要をレポートにとりまとめるというもので、いまひとつは世界を揺るがせている「イスラーム国」について、なぜこうした組織が生まれてきたのか各自の見解をまとめるものです。
学生たちは指定された図書や論文を読み、レポートを作成しました。なかには、そのまま企業や官庁での報告書になるような水準の高いものもありました。
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アラブ首長国連邦と「イスラーム国」が勢力を伸ばしたシリアは、同じアラビア語を公用語とし、イスラーム教徒が太宗を占める中東の国でありながら、現状は極めて対照的です。豊富な石油資源を有するアラブ首長国連邦は豊かな国で、肉体労働やサービス労働は外国からの出稼ぎ労働者が担っています。連邦を構成する首長国のひとつドバイは先進的な経済政策で知られ、広域的な経済ハブに発展しています。政治的には、立法権のある議会はなく、政党の結成も認められていない絶対君主制と呼ばれるほどの政体でありながら、国民の生活水準の高さや君主への信頼感もあり、内政は安定しています。
他方、シリアは2011年以降、アラブ世界を揺るがせた「アラブの春」を機に内戦状態となり、「イスラーム国」の伸張を招き、多数の犠牲者を出し、海外に多くの難民が逃れています。

後期の授業では、なぜ「イスラーム国」のような組織が生まれてきたのか、そしてシリアに入り、「イスラーム国」に殺害されたジャーナリストの後藤健二さんの行動や報道姿勢について、グループごとに議論し、その結果を発表する授業を進めています。
馴染みの薄い地域の、しかも幅広い知識が必要なテーマですが、学生は事前にしっかりと勉強して、議論しています。前期の学びを通して大きく成長しているのがうかがえます。

以下は課題とディスカッションを終えた学生の感想です。

N.Kさん(福岡県立城南高等学校出身)

知ろうとすること、疑問を持つこと、考えること、どうでもいいような日本での日常が実はとてつもない幸せであること、そうした日常に感謝すること、以上のことを今回の課題を通して学ぶことができました。

M.Kさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

もっと日本と世界の歴史を勉強したいと思いました。時間がある大学4年間で興味を持ったこと、疑問を持ったことを自分で考えたり、体験したり、感じたりしていきたいと思います。

M.Sさん(中村学園女子高等学校出身)

「イスラーム国」に関する課題を通して、私たちはもっと世界の現状を知り、他人事としてではなくきちんと考えていく必要があると思いました。

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グループごとに議論するC・Dクラスの学生