国際キャリア学科では経済界の方々と連携したカリキュラムの一環として、昨年に引き続き北九州エアターミナルの常務取締役を務められている今村裕明先生による講義を開催しました。(今年は国際英語学科の1年生も聴講しました。)
今村先生は日本航空のご出身で、現在は北九州エアターミナルで北九州空港ビルの管理・運営や航空会社との調整などの仕事に携わられています。
講義では35年以上に及ぶ豊富な実務経験をもとに、北九州空港をはじめとする日本の空港の状況、日本と世界の航空業界の歴史と現状、日本航空の概要、航空会社や空港における仕事とそこで求められる資質などについて、途中、正解者には航空会社のグッズが当たる楽しいクイズを交えながら、お話しいただきました。
世界の航空業界の動きについては、1978年に米国で行われた規制緩和の結果、ハブ・アンド・スポーク戦略などで競争力を強めたユナイテッド航空、アメリカン航空、デルタ航空の三大航空会社を軸として米国内での航空会社の集約化が進み、1990年代後半以降はこれら三社による主導で世界の航空業界でアライアンス(戦略的提携)化が進められ、現在ではワンワールド、スターアライアンス、スカイチームの三つのアライアンスとLCC(格安航空会社)群で、世界の航空業界が四つに色分けされ、アライアンス間の競争が展開されていることなど、とても分かりやすく解説いただきました。
また、客室乗務員やグランドスタッフ(GS)を目指している学生が多いことを踏まえ、ご自身、日本航空の客室乗務員として乗務され、また人事・採用にも携わられたご経験を踏まえながら、客室乗務員やGSの仕事とキャリアパス、それらの職種を目指す学生が取り組むべきことなどについてお話しいただきました。
学生時代に取り組むべきことについては、『航空業界就職ガイドブック』など航空業界に関する雑誌、航空会社や専門学校のサイトなどをよく読んで最新の動向をフォローすること、そして何より「英語、敬語、礼儀、マナー」をしっかりと身につけることなどをアドバイスいただきました。
英語力については「航空会社が採用の最低基準としているTOEICの成績よりもプラス100点は欲しいところで、英語力を高めることにより世界の大手航空会社72社に就職することも可能になってくる。学生時代に英語力の向上に努めて欲しい」とお話いただきました。
学生が前期のうちに提出していた「結婚後、女性社員の何割が離職され、その後どのような職に就かれているのでしょうか」「一番つらかったクレームは何でしょうか」「(専門学校との)ダブルスクールはするべきでしょうか」「GSの仕事の一番のやりがいは何でしょうか」など数多くの質問にも事前に航空会社や現役のグランドスタッフの方々にわざわざ聞き取りをされて、お答えいただきました。
講義の最後には日本航空の再建に携わられた稲盛和夫同社名誉会長をはじめ多くの著名人に影響を与えてきたジェームズ・アレンの著書『「原因」と「結果」の法則』をご紹介いただきました。「そうありたいと強く思うこと、そしてそれに向けてアンテナをあげることが大切。そうすることで情報が集まり、チャンスが生まれて来ます。自分の夢に向けて、それを信じて頑張ってください。そして、日々、ポジティブな天国言葉を使うように心がけてください」とエールをお送りいただきました。
多くの学生の憧れである航空業界で長年、活躍されてきた大先輩からの胸に響く、そして楽しいご講義でした。学生たちは今村先生のジョークにときに笑いながらも真剣にお話を聞いていました。
受講した学生の感想