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2015.03.15

大学院

臨床心理センターから『震災支援に学ぶ「臨床心理士」の専門性と養成』が発刊されました。

rin_20150315_01.jpg臨床心理学専攻の教員と院生が中心になって2011年8月から始まった東日本大震災支援について、4年間の軌跡をまとめた冊子が発刊されました。
子ども達の集団遊戯療法である「あそぶ寺子屋」とSART(サート:主動型リラクセイション療法)を用いた大人対象の「リラクセイション教室」を軸とした活動は、被災者支援に加え、支援する側、すなわち、臨床心理士として育つ院生たちの成長にも大きな力になりました。

ご関心のある方には無料でお送りいたします。福岡女学院大学臨床心理センターまでご連絡ください。

編集後記(人文科学研究科臨床心理学専攻 奇 恵英)

『震災支援を取り入れた臨床心理実習教育による特色ある教育の確立と専門家育成』という教育活動課題で2014年度福岡女学院活性化推進助成金をいただくことができ、この冊子が生まれた。
振り返れば、震災支援を始めて4年間、ただひたすら前を見て走り続け、動き続けたように感じる。常に心の中には、宮古の人々、震災支援に参加した院生たち、これから参加するであろう新たな院生たちの顔が浮かんでいた。
震災支援を計画するときから、この震災支援は被災地のみなさまのためのものだけでなく、「震災支援」という枠組みの中で出会うすべての人々のためのものであると考えた。このたびの未曾有の震災を前に、我々ができることはあまりにも微弱で、空しいもののように感じざるを得ない。
しかし、無限に広がる可能性を生み出すのは人の「心」であり、「心が働く」とき、無数の「心がつながる」ことから、人の想像を超える力が生み出される。したがって、支援に参加する人たち、特に若い人たちの心がいかに育つか、そして出会う人々の心にふれあい、つながるかがこの支援のもっとも大きな意味になるであろうと考えた。
拙いながらも生き生きした一人一人の言葉を読み直すと、そのような思いが見事に実っていることを実感した。臨床心理士を目指す若者たちにとってもっとも大事なもの、「心が働く」「心がつながる」という体験と訓練は今後どんな状況でも人の心を大事に見つめ、包む力になることを信じてやまない。
関わりのあったすべての方々に深く感謝したい。

追記

2015年3月22日から3月29日まで、第8回震災支援を無事終えました。崎山での「あそぶ寺子屋」を終了、支援参加院生数の制限など、収束に向かう予定でしたが、田老の「学童の家」(学童保育)での「あそぶ寺子屋」のスタート、宮古市内に有原さんを中心に立ち上げる生活困窮者支援のセンターとのコラボなど、「震災支援」ではなく、「地域及び地域支援者の支援」という新たな支援の章が開かれました。よって、この冊子の発刊をもって、私たちの宮古支援の第1章の終了とさせていただき、新たな第2章のストーリについては改めてご報告申し上げます。