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2015.02.09

言語芸術学科

英国文化・文学へのアプローチ1 「ビアトリクス・ポターと自然保護運動」

言語芸術学科では、「名作を読むE Ⅰ」「名作を読むE Ⅱ」「詩のスタイル」「小説のスタイル」「上田ゼミ」「上村ゼミ」「道行ゼミ」等で、英語の文学作品(原書)を読みます。原書を読むには、基本的な英語力(語彙、文法、発音)が必要ですが、それ以外に作家や作品の背景、作品の舞台となる国や時代の文化理解も必要になってきます。例えば、イギリスにおいて "tea"のお誘いを受けたという場合、それはいわゆる「お茶」や「紅茶」のみならず、軽い食事までを意味することがあります。ですから、英語表現で "eat one's tea"の形、例えば"eat her tea"などの表現をインターネットで検索すると、何十万件という例がヒットします。「お茶」を"eat"するというのは、私たち日本人には奇妙な表現のように思えますが、英国のtea文化を理解すると、なるほど!と合点が行くわけです。こういった文化理解は単に作品を理解するために必要なのではなく、交流の場が地球規模に広がっている現代社会において我々が生きて行く上でも必要です。

言語芸術学科は2013年度に始まりました。学科の教員スタッフは、この数年前から学科発進にむけて、いろいろなイベントを開催してきました。その中に、2011年11月〜2013年5月まで、福岡県男女共同参画センター「あすばる」において開催していた定期的なトークイベント「おしゃべり文化喫茶」があります。英語、英国事情、英国文化、などについて総合的なお話をしていたイベントです。言語芸術学科では、基礎力だけでなく、文化背景の理解を深めながら、英語にアプローチしていきますので、学科の英語授業の一端が ↓音声 からうかがえるのではないかと思います。

今回は、「ビアトリクス・ポターと自然保護運動」についてお話しした音声(2013年3月録音)を紹介いたします。(なお、音声最後に次回予告がありますが、すでに終わっている内容ですのでご注意ください)
 

イギリスの風光明媚な行楽地として人気の高い湖水地方について、また、その景観の保護に晩年の人生をそそいだ絵本作家、ビアトリクス・ポターのお話です。
ポターといえば、ピーター・ラビットシリーズで有名ですが、イギリス人にとっては、自分たちの国の美しい自然を守ったということで一目置かれる作家です。
 
ビアトリクス・ポター略年表
1866年 ヘレン・ビアトリクス・ポター 生まれる。
1882年 始めて湖水地方を訪れる。ハードウィック・ローンズリー牧師に会う。
1885年 家庭教師アニー・カーターがエドウィン・ムーアと結婚。茸や菌類の研究を始める。
1890年 ペットのうさぎ、ベンジャミンをモデルにクリスマスカードを描き、フォークナー社が6ポンドで買う。
1893年 アニー・ムーアの病気の長男ノエルへうさぎの物語の手紙を書く。
1897年 リンネ協会に「ハラタケ属の胞子発生について」を提出。
1901年 『ピーター・ラビットのおはなし』を自費出版。
1902年 フレデリック・ウォーン社から『ピーター・ラビットのおはなし』を出版。
1903年 『ピーター・ラビットのおはなし』が末までに5万部売れる。
1905年 ニア・ソーリー村のヒル・トップ農場を購入。
    ノーマン・ウォーンからのプロポーズを受ける。
    ノーマン・ウォーン死去。
1909年 弁護士ウイリアム・ヒーリスと出会う。
1912年 ウイリアム・ヒーリスがプロポーズ。
1913年 ウイリアム・ヒーリスと結婚。カースル・コテージに住む。
1914年 第一次世界大戦勃発。父死去。
1918年 弟死去。
1919年 母を湖水地方に呼ぶ。リンデス・ハウ邸に住まわせる。
1932年 母死去。
1938年 入院。
1939年 第二次世界大戦勃発。
1943年 死去。77歳。</span>
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言語芸術学科は、言語芸術作品(文学や映画)を【教材】として使いながら、 言語(日本語・英語)能力と思考力を徹底的に鍛え、何事にも臨機応変に対応できる逞しい人材を育てることを【教育目標】においているリベラルアーツ系の学 科です。【教材】と【教育目標】をリンクさせる【教育手段】として、フィールドワークなどの実践科目を豊富に備えています。