学科 Today

  1. HOME
  2. 学科 Today
  3. 人文学部
  4. 言語芸術学科
  5. 授業紹介 OSMゼミより

2014.11.28

言語芸術学科

授業紹介 OSMゼミより

 OSMゼミでは、福岡の女性の戦争体験記を集めたとても貴重な本である『あなたにバトン : 戦前・戦中・戦後の福岡の女性たちの体験記』を読んでいます。戦前・戦中・戦後、福岡の一般の日本人女性がどんな体験をしたのか。それを読み、琴線に触れた部分を、実際に音読してもらいました。
anatani1.JPGanatani4.JPG
 音読するには、内容の理解をきちんとしていなければなりません。現代の女子大生には難しい漢字もありますし、インターネットで調べないと理解できない名詞や地名も出てきます。また、読む内容自体が、普段体験したことのないものですから、戸惑いもありました。みんな頑張ってくれたと思います。

 この試みには、この音声を聴いてくださる方に、当時の福岡の女性がどんな暮らしをしていたのかを知っていただきたいという願いも込められています。今日本は、集団的自衛権の解釈をめぐって、また、憲法9条をめぐって、大きく揺れ動いています。これからの日本を動かしていく若者は、この問題から目をそらすことはできません。まして、将来、自分の子供を産むであろう女性にとっては、今後日本がどのような方向へ進んでいくのかというのは、切実な問題なのです。
 ゼミ生全員今年度選挙権を得ます。この問題を、各ゼミ生がどのようにとらえ、どのような判断をし、選挙に臨むのか?とても楽しみです。

 
『あなたにバトン』音声no.1 (←クリックすると朗読が聞けます)
 
この活動をこころよく許可してくださいました井上様をはじめとする『あなたにバトン』編集の皆様に心より感謝いたします。
書籍名 あなたにバトン : 戦前・戦中・戦後の福岡の女性たちの体験記
著者    第2次世界大戦前・戦中・戦後の福岡の女性の体験を明日に伝える会
出版社 第2次世界大戦前・戦中・戦後の福岡の女性の体験を明日に伝える会, 2010
ページ数 362 ページ
anatani3.JPGanatani2.JPG
 朗読の待ち時間の間、学生たちには、ネッド上に動画で紹介されている折り紙による財布作りをしてもらいました(iPad miniほんと便利です)。動画の指示通りに実際にやってみる。意外に難しいものです。
 最近大学の授業でSTUDY SKILLSという科目が流行っています。大学とはどんなところか、大学の授業の受け方、メモの取り方、レポートの書き方、などを紹介をする「授業科目」です。良し悪しは別にして、大学のエッセンスをサプリにして一気に飲ませているような感じがしてしっくりきません。昔は、それぞれの授業の中で、先生たちが伝授していったものでしたが・・・4年間、毎日の食事で、きっちりと栄養をつけていくようなイメージですね。
 どちらがいい? 当然、両方でしょうね。ただ、言語芸術学科の教育方針には、後者の方がしっくりきます。
 言語芸術学科のゼミでは、ゼミ自体がSTUDY SKILLSを知ってもらう場。卒業までの二年半、いろんな座学・実践項目を取り入れて、自然に伝えていきたいと思っています。学生には、何が自分の栄養になるのかをみきわめ、それを自分で吸収する力をつけてもらいたいと思います。今回の折り紙も、単に「折り紙で財布を作った」と捉えるか、それ以上の何かを見出すのか。それは彼女たちの思考力にかかっています。
 A word is enough to the wise. 「1を聞いて10を知る」ですね。
 
言語芸術学科は、言語芸術作品(文学や映画)を【教材】として使いながら、言語(日本語・英語)能力と思考力を徹底的に鍛え、何事にも臨機応変に対応できる逞しい人材を育てることを【教育目標】においているリベラルアーツ系の学科です。【教材】と【教育目標】をリンクさせる【教育手段】として、フィールドワークなどの実践科目を豊富に備えています。