私は臨床心理学を研究分野とし、長年臨床心理学を基盤とした心理臨床実践を行ってきました。
心理臨床実践は実践の領域も、対象も、方法も多岐に渡りますが、私が専門としている技法はリラクセイション療法です。
心理的問題や精神的不調の背後には共通して「不安」があります。
不安は心身の「緊張」につながります。
したがって、身体にアプローチするリラクセイション療法は心へのアプローチにつながるわけです。
もちろん、リラクセイション療法は「不安」の軽減や緊張の弛めだけではなく、当人のあり方、心の抱え方が変化することに心理療法としての意味があります。
私が専門とするリラクセイション療法は、「主動型リラクセイション療法(Self-Active Relaxation Therapy;サート)」と言いますが、自分で自分の身体を動かす中で「適度緊張―適度弛緩」のバランスの良い状態、動きを導き出す技法です。
心が不調な方だけでなく、学校でのストレスマネジメント、震災支援など、幅広く適用しています。
ある中学校で一定期間、集団で行う機会がありましたが、その時のある生徒の感想です。
短い感想でしたが、心と体の関係をよく表してくれていると思います。
体を通して自分の心を抱える力を養うことで、問題の抱え方が変わる、心理学科ではそのような心理療法の一端を授業で体験することができます。
心理学科教員
奇 恵英(キ ヘヨン)