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2021.11.26

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2021年度⑦製造業:ヤマハ発動機提携講義Ⅰ-ヤマハ熊本プロダクツの木村小百合様による講義

国際キャリア学科(ICD)では、グローバル企業と提携したプログラムとして、2017年度からヤマハ発動機株式会社様との提携講義を実施しています。今年度前期は、国際キャリア学科1年生を対象とする「フレッシャーズ・セミナー」で同社の柳弘之取締役会長による特別講義を開催しました。

後期は国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」で、ヤマハ発動機グループで活躍されている女性社員の方による講義をシリーズで開催しています。今年度の第1回講義にはヤマハ熊本プロダクツ株式会社から木村小百合様をお招きし、これまで携わられてきたお仕事とそれを通して学ばれてきたことなどについてお話しいただきました。

木村様は最初に180を超える国・地域で製品を販売し、売上の90%を海外市場が占める日本を代表するグローバル企業であるヤマハ発動機の成り立ちから説き起こしていただき、二輪車や電動アシスト自転車などのランドモビリティ事業、船外機や船舶などのマリン事業、産業用ロボット、ドローンなどのロボティックス事業、主として北米で展開している金融事業などの順にヤマハ発動機の主要な事業についてご説明いただきました。また、2030年までのヤマハ発動機グループの成長戦略の方向性(長期ビジョン)についても分かりやすく解説いただきました。

続いて、ご自身のこれまでのキャリアについてご紹介いただきました。熊本の高校から東京の大学に進学し、国文学を学ばれた木村様は「広報」「マーケティング」「グローバル」の三つを軸に大学3年次に就職活動を始められました。メーカーやマスコミを中心に就職活動を進められていた木村様でしたが、3年の春休みに東日本大震災を経験されたことから、急きょ九州で就職活動を再開され、海外との繋がりが多いことに魅力を感じ、2012年にヤマハ発動機の船外機を製造しているヤマハ熊本プロダクツに入社されました。

木村様は入社後、最初の10か月は工場で船外機を組み立てる実習に従事されますが、その後は人事部門で外国人技能実習生の管理や外国人のお客様の工場見学、グローバルな塗装技術に関する交流会の運営など、目指していたグローバルな仕事に従事されることになります。2018年からはヤマハ発動機本社のグローバル人事部門に配属され、上司がドイツ人とタイ人、同僚はロシア人とタイ人、会議や資料は全て英語というさらにグローバルな職場を経験され、2019年からは駐在員としてタイに派遣されることになりました。

 

木村様は学生達が特に関心の高いタイ駐在中のお仕事について、タイという国やその人々、文化、そしてバンコクでの駐在員生活についての臨場感あふれるご紹介に続いて、詳しく説明いただきました。タイで木村様が従事されたのは人事や総務、事業企画の策定、コーポレートブランディングなどのいわゆるコーポレートの業務でした。そのなかで特に注力されたのが船外機などのマリン事業の企画でした。二輪車がメイン事業のタイ拠点で、マリン事業の経営貢献を拡大させることを目標にマリン事業の中期計画の策定や組織開発に取り組まれることになりました。当初は机上で検討を進められましたが、「市場と世の中の動きを知らないと上辺っぽい発言になる」と気付かれ、製品が販売され、使われている市場をできるだけ訪問し、お客様やディーラー、メカニックの方々と話を重ね、そこにタイ人のスタッフもどんどん巻き込んでいかれました。こうした取り組みを通して、当初は新規分野であるマリン事業に抵抗感があったタイ人スタッフの気持ちが少しずつ変わっていったそうです。木村様は「タイ人スタッフが心を開いてくれた瞬間に大きな喜びを感じました」と話されました。

マリン事業の企画以外でも木村様は将来、アジア8カ国・地域の各拠点の経営層になることを期待されている人材の育成プログラムやコロナ禍での日本人駐在員の駐在支援などの業務に注力され、それぞれのお仕事で経験された大変さや達成感などについてもご紹介いただきました。そのうえで、「グローバルとは多様な文化を受け入れ、そして自分も受け入れてもらうことだと思います。仕事をする上での人のグローバル化とは、国内外を問わず、その土地のその組織の 文化や人に適応し、高いアンテナを張り、課題を見つけ、自分が活躍する場所を築く力をつけることだと考えています」と話され、そのためには「コミュニケーション力が必須です。自分の気持ちを正しく伝え、相手を正しく理解することが一番のコミュニケーション力だと考えています。仕事においては、自分だけで抱え込まずに周りの人を巻き込む力もかなり大事になります。語学は必須ですが、それをどう使うかが大切です。英語はもちろん、非英語圏では各国の現地語は心を通わせるツールになります。私もタイで経験しましたが、現地語ができるとできないとでは相手の心の開き方が全く違います」とこれまでのご経験から貴重なアドバイスをいただきました。

 

講義の最後にはこれから就職活動を迎える学生達に実践的な助言をいただくとともに、「常に周りを見て、周りの人を大切にしましょう。自分のことについてよく考え、意固地にならず、自分で自身の範囲を決めないようにしましょう。そして、自分が諦めきれないことは決して諦めないでください」とアドバイスいただきました。学生達は憧れである海外駐在の業務を含めグローバルな仕事でのキャリアを積み重ねながら颯爽と輝いている木村様の臨場感あふれる体験談とアドバイスに聴き入っていていました。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

Y.Mさん(福岡県立福岡高等学校出身)

講義のなかで、木村様からグローバルな人材として活躍するためには「意固地にならない」ことが大切だと伺いました。現地の文化や人々にうまく適応し、常に周りをみながら合わせていく適合力を持ち合わせることが大事だということでした。海外拠点を多く持つヤマハ発動機様にとって、各国の人々を会社の求めるグローバルな人材像へと方向性を合わせていく取り組みには大変、重要な役割があると考えます。自社のブランドに対する共通意識を持ちつつも、それぞれの拠点で働く人々が互いの価値観を共有し、認め合うヤマハ発動機様で働くということに、とても魅力を感じました。今回の講義を通して、ヤマハ発動機様ならびにヤマハ熊本プロダクツ様では、どういう方々が、どういう思いで事業に取り組まれていらっしゃるかを知ることができました。また、グローバルな環境でグローバルな社会人として活躍するということに強い魅力を感じました。これからの学生生活、そして社会人生活において、自分と違う価値観に出会った際も新たなことを学ぶようなつもりで前向きに受け入れ、しなやかで常に成長を止めない人材になることを目指します。

K.Mさん(福岡県立筑紫丘高等学校出身)

講義を聴き、改めて世界を相手にビジネスを展開しているヤマハ発動機グループは素晴らしい会社であると思いました。講義のなかで最後に木村様がおっしゃった「人のグローバル化とは、その土地の文化や人に適応し、高いアンテナを張り、課題を見つけ、自分が活躍する場所を築く力をつけること」という言葉が強く心に残りました。私もグローバルな人材になりたいと強く思いました。

R.Kさん(福岡県立小倉西高等学校出身)

私もグローバルな環境で働きたいと考えており、いつかは海外駐在をしたいと思っているので、今回、木村様がどのような流れで、どれくらいの期間をかけて海外駐在するようになられたのかというお話を聴けてとても良かったです。就職活動についてのお話では「常に周りを見て、自分の殻を決めないことが大切だ」とおっしゃっていました。考えてみると、私自身、自分の限界を勝手に決めつけて、これくらいだろうと思ってしまっていた経験があったので、確かに自分の殻を決めてしまうのはもったいないなと思いました。また、「大人になって勉強できるかできないかで大きな差がつくので、自己成長を止めないように。経験に知識がプラスされると深みが増す」ともおっしゃっていました。社会人となり、長い間、働いていくうえで学び続けることは自分のキャリアにも大きく影響すると思います。これからさらに努力して自分の納得できるキャリアを築き上げていきたいです。

N.Yさん(福岡県立小郡高等学校出身)

講義の最後に木村様はこれから就職活動をしていく私達へのアドバイスをいただきましたが、どれも心に残るものばかりでした。「意固地になり、自分の範囲を決めてしまうことはもったいない」「周りの意見に耳を傾けることは、日本にいてもグローバルなことだ」という言葉にとても納得しました。私には将来、海外で働くという夢がありますが、木村様の体験談を聴いて、自分が想像しているほど甘いものではないと感じました。また、社会人になってもなお勉強をすることはとても大切なことだということがよくわかりました。いただいたアドバイスを忘れることなく、その地域の人々や文化に適応し、常にアンテナを張ることができる、真のグローバルな人間になることを目指して頑張ろうと思います。今回は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

C.Wさん(福岡県立春日高等学校出身)

今回の講義を受けて、コミュニケーション能力と自分と相手をしっかり理解することの大切さを学びました。グローバルに事業を展開するためには、相手の国の文化を知り、理解しなければいけません。コミュニケーションをとる際にしっかりと相手に自分の考えを伝えていくためには、語学力が必須であることを改めて痛感しました。また、自分一人で仕事を行うことは少ないため、常に周りを巻き込みながら課題の解決に取り組んでいく必要があります。自分の能力の限界や範囲を自分で決めずに、常に新たなことに挑戦し続ける強い意志の大切さも学びました。貴重なお話をありがとうございました。

M.Aさん(福岡県立春日高等学校出身)

木村様の講義を聴いて、ヤマハ発動機グループについて理解できたのはもちろんのこと、海外とつながる仕事で活躍するために重要なことについて学ぶことができました。講義の最後にいただいた就職活動へのアドバイスのなかで、木村様は「いかに一緒に働きたいと思わせるかが大切だ」と話されていました。確かに、これまで私が受けた企業説明会ではほとんどの社員さんが採用する人の前提として「その人と一緒に働きたいかどうかである」と話されていて、納得しました。また、社会人になっても成長し続けられる環境にいることも大切であることが分かりました。私も常に成長し続け、自らを更新し続けていけるような社会人になりたいと思います。

N.Mさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

木村様はこれまでのお仕事を振り返り、本当にこの道で合っているのかどうかわからなくなる時もあったが、望み続ければいつかはやりたい仕事ができるとおっしゃっていました。社会人になったら私も同じような経験をするかもしれませんが、その時はこの言葉を思い出して頑張ってみようと思います。木村様はまたグローバル人材になるためには、文化や人に適応し、アンテナを張って課題を見つけ、自分が活躍する場所を築く力をつける必要があり、コミュニケーション力は必須だとおっしゃっていました。自分の気持ちを正しく理解し、正しく伝えること、また、周りを巻き込む力も重要です。私は将来、海外での仕事もしてみたいと思っているので、実際に海外での仕事を経験された方のアドバイスを聞けて本当によかったです。

A.Yさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)

木村様の講義を聴いて、特に心に残ったことが二つあります。一つは海外駐在時のお話です。実際に海外勤務をされていた方の体験談を直接、聴くことができてよかったです。常に自分に何ができるか、何を必要とされているのかを考え、行動に移してこられたところが素晴らしいと思いました。二つ目は「自分の軸をぶらさないように」というアドバイスです。木村様ご自身も入社後、就職活動の軸としていた「グローバル」と実際のお仕事との間にギャップを感じることがあったものの、諦めずに努力を続けられた結果、チャンスがきました。海外駐在中も色々なことにチャレンジされ、キャリアを築き上げていかれました。私も木村様のように自分の軸をぶらさずにチャンスを掴んでいけるように、これからの就職活動を頑張っていきたいと思います。

M.Tさん(長崎県立島原高等学校出身)

私は木村様の講義から主に二つのことについて学びました。一つは行動しないと何も始まらないということです。私はなかなかすぐに行動に起こすことができません。しかし、木村様の体験談を聞き、やはり自ら行動しないと何も始まらないということを改めて学びました。就職活動に際しても採用担当者に一緒に働きたいと思わせるように行動することが大事だと学びました。今後はまず行動してみるということを目標にし、木村様の前向きな姿勢を見習っていこうと思います。二つ目は軸をしっかり持つことです。この授業でご講義いただいた他の講師の方々も軸をしっかり持つことの大切さを指摘されましたが、今回、木村様のお話を聴き、軸を持つことの大切さを改めて痛感しました。私も自分の将来を決めるうえで、自分が大切にしていること、やりたいことを明確にする必要があると思いました。もっと自己分析を徹底していこうと思います。以上の二点に加えて、ヤマハ発動機や海外駐在のことなどについて、たくさんのことを教わりました。海外での仕事のリアルが聞けたので、自分が海外で仕事をする時には、自ら積極的に行動すること、現地のことについて勉強することなどを心がけていこうと思います。木村様の何事にも諦めない姿勢を見習って、これから勉強や就職活動に取り組んで参ります。

H.Kさん(宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校出身)

木村様のお話を聴き、行動に移すことの大切さを学ぶことができました。この講義をきっかけに、木村様は同じ女性として目標にしたい人になりました。私も、周りの人を大切にする、自分についてよく考える、諦めきれないことは諦めない、この三つのことを大切にしながら生きていきたいと思います。

M.Mさん(野田学園高等学校-山口-出身)

木村様は講義の最後に「周りの人を大切にする。自分についてよく考える。諦めきれないことは諦めない」とのメッセージを下さいました。社会人になり、得たものの大きさから出たお言葉だと感じました。私達の就職活動にも「軸を持ち、忘れず、ぶれない。素直に率直に、そして愚直にたくさんの企業を見る。会社を知り、担当者とのコミュニケーションを大切にする」というアドバイスをいただきました。この言葉を忘れずに自分自身の今後に大きな影響を及ぼす就職活動に実直に向き合っていこうと思います。