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2021.11.01

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2021年度③:海運・物流業-鶴丸海運の飯田様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスの第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。 先日の講義には、鶴丸海運株式会社の内航海運グループで活躍されている飯田早紀子様を講師にお招きし、海運・物流業界のお仕事と求められる人材像などにつきご講義いただきました。

 

飯田様からは初めにちょうど100年前に石炭を運搬する機帆船の運航から創業した鶴丸海運が太平洋戦争中に徴用された船舶の喪失と社員の方々の戦死、石炭から石油へのエネルギー革命による経営悪化、高度経済成長の終焉による鉄鋼需要の減少など幾度の危機を乗り越えて、海上輸送では内航海運から外航海運への展開、石炭からセメントや住宅建材、産業廃棄物などへの輸送貨物の多角化、コンテナ需要への対応、港湾事業では陸揚業務から総合一貫荷役への転換、そしてホットデリバリーサービスの開始や海外展開の促進など、時代の「変化」に対応して事業を継続、発展させてきた歩みをご紹介いただきました。

続いて、海運業界もそこに含まれる物流業界について「物流とは商品が生産者から消費者に渡るまでの一連の流れで、場所と時間の隔たりを埋めるものです。輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報という六つの大きな機能があります。輸送とは様々な輸送機器を使ってモノを運び、場所的ギャップを縮めること、保管とは商品を倉庫などで一定期間、保管して、時間的ギャップを調整すること、荷役とはモノを輸送機器に積んだり、降ろしたりすること、情報とは情報システムを駆使して、在庫管理などの効率化を図ることです」と分かりやすく解説いただいたうえで、総合物流企業である鶴丸海運の事業のポートフォリオについて海上運送、陸上運送、港湾運送、ロジスティックス、国際物流、サービス(保険商品の販売)の事業ごとに詳しくご説明いただきました。

講義後半には、女性の採用や働き方改革を推進していること、今年、完成した新本社ビルでは固定席を設けないフリーアドレスを採用していることなど、鶴丸海運の近年の取り組みについてご紹介いただくとともに、同社の経営理念、中期経営計画についてご説明いただき、学生たちに「就職活動において会社の経営理念を知ることは大切です。それを通して経営者の思いやその会社が大切にしてきたこと、社風などを知ることができます」とアドバイスいただきました。そして、①変化を素直に受け入れ、柔軟に対応できる人、②何事も主体性をもってやり遂げられる人、③人とのつながりを大切にできる人という同社が求める人材像をご紹介いただきました。

講義の最後にはご自身の入社してからのご経歴やそれぞれのお仕事で得られたこと、学ばれたこと、気象海象の確認から始まる1日のお仕事の流れ、これまでのお仕事で最も心に残ったエピソード、そしてご自身の将来のビジョンまで、詳しくご紹介いただき、学生たちに「仕事において極めて重要なことは人とのつながりやコミュニケーションです」「プレッシャーに打ち克つためには99%事前準備が重要です」と貴重なアドバイスをいただきました。お話のなかでは「かっこいいスーツを着て仕事をしたいと思っていましたが、担当している船舶を訪ねる時は作業服を着て、ヘルメットをかぶっています。でも慣れてくると、作業服は夏は涼しく、冬は暖かく、こちらの方が快適になってきました」「特に力仕事をするわけではありませんが、ロープを巻いたり、段ボール箱を運んだりはしています」「本社ビルの近くを自社船が通過するときはみんなで手を振っています」など、海運・物流業界で働く女性のリアルな姿もご紹介いただきました。学生たちは同じ女子大のご出身で「男の職場」の典型のような業界に飛び込み、しなやかに活躍されている飯田様の講義に熱心に聴き入っていました。

以下は聴講した学生の感想(代表)です。  

M.Tさん(長崎県立島原高等学校出身)

飯田先生のお話で特に大切だと思うことが二つありました。一つは報・連・相の徹底です。アルバイトやクラブ活動でなどで、報・連・相がきちんとできてなくて、失敗したことが何回かあり、最近は特に意識して取り組むようにしています。今後も気を抜かずに報・連・相を徹底して、自分のなかに定着させていくことで、就職先でも自然にできるようにしていきたいと思います。二つ目は信頼関係を得ることの大切さです。飯田先生は担当船舶を訪問してコミュニケーションを深めるなどして、仕事で関わる方々との信頼関係を築かれています。この二つは生活するうえで、また今後、仕事をしていくうえで極めて大切だと思います。今回の講義で自分に足りないもの、身につけておくべきことを確認できました。これからの大学生活に活かしていきたいです。

M.Sさん(大分県立大分雄城台高等学校出身)

海運・物流業について詳しく学び、理解を深めることができました。鶴丸海運様は北九州市に本拠を置く総合物流会社で、今年で100年を迎えた老舗企業です。太平洋戦争やエネルギー革命による需要減少などの様々な困難を乗り越え、100年の歴史をつないできたことにとても感動しました。100年間、事業を続けられてきたのは、様々な時代の変化に柔軟に対応されてきたからだと思います。コロナ禍で就職先を選ぶ際に、その企業が変化に柔軟に対応してきたのかどうかという点がとても重要な観点だと考えていたので、歴史がありながら、時代に柔軟に対応されてきた鶴丸海運様にとても魅力を感じました。飯田先生の講義を聴き、企業研究を行っていくうえで大切なことについて考えることができました。今後の就職活動に活かしていきたいです。

M.Mさん(大分東明高等学校出身)

鶴丸海運様は大正時代に創業し、100周年を迎えた総合物流会社です。総合一貫輸送を提供することで、低コストで迅速な、安全性の高い輸送を実現されています。働き方改革にも取り組まれており、社員の定着率も高く、新本社ビルでは自分の席が決まっておらず、より自由に快適に仕事ができる環境づくりも整えられています。海運業・物流業は男性が就業するイメージが強かったですが、女性の割合も年々、増加しています。今回の飯田様の講義を聞き、たとえ学生時代に十分な知識がなかった業界でも仕事に興味を持ち、努力を重ねることでたくさんの学びを得て、働くことができることが分かり、就職活動により前向きになることができました。

A.Iさん(聖和女子学院高等学校出身)

海運業、物流業というこれまで視野になかった業種のお仕事について学ぶとともに、新たな気づきを得ることができました。鶴丸海運のように100年以上続く企業が全体の3%しかないと聞き、驚くとともに、時代に合わせて変化を続けていることが100年続く理由だと思いました。講義のなかで紹介された新しい海の見えるオフィスはとても魅力的で、固定されていない勤務スペースからも時代の変化を積極的に取り入れられている会社だと感じました。飯田様のお仕事でのご経験の話からは何事も下準備が大切だということを学びました。どれだけ下準備をしっかりできているかで、心や時間の余裕が出て、そのあとの成果も変わってくると思います。これからはより下準備をしっかりしていこうと思います。そして、何かあれば相手から言ってくるだろうという思い込みも良くないと学びました。細かくコミュニケーションをとることを大切にして、気づいたことは相手に伝えるようにしていこうと思います。私も将来はぜひ飯田様のように自分の仕事や職場に自信を持てる会社で働きたいです。

Y.Mさん(福岡県立福岡高等学校出身)

今回、時代の変化に対応して成長を続けてきた鶴丸海運様の歩みや物流という社会、経済に欠かせない産業の役割について深く学ぶことができ、関心を深めました。海運業界の具体的な業務にも興味を持ち、特に飯田先生が経験されてきたセメント船のオペレーター業務やガット船・貨物船の配船業務に私も携わってみたいと思いました。正直なところ、受講前は物流業には関心が持てず、業界研究もほとんど行っていませんでした。物流というと宅急便のような配送業の印象があり、日常的に目に触れるものにとらわれていたことを反省いたしました。これから私も変化を恐れず、時代に合わせて柔軟に対応していけるような社会人となるべく、邁進してまいります。貴重なご講義をありがとうございました。

M.Yさん(福岡県立春日高等学校出身)

今回の講義で海運・物流業界について詳しく学ぶことができ、とてもいい機会になりました。海運・物流業界と聞くと、男性が多いイメージ、重たい荷物を運ぶイメージなどがありましたが、女性も活躍できる業界だと知ることができました。ご講義いただいた飯田様もそのうちの一人で、入社時は知識がゼロに等しかったにも関わらず、努力を積み重ねられて、今や会社にとってなくてはならない存在になられていると感じました。船舶の手配や気象海象の把握など、私たちが想像するよりもはるかに難しい仕事だと思います。しかし、飯田様のお話を聞いているうちに「とてもやりがいのある仕事なのだろうな」「自分もやってみたいな」と興味が湧いてきました。これから本格化する就職活動において、海運・物流業界も視野に入れて頑張りたいと思います。

S.Kさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

鶴丸海運の飯田様のご講義で、今まで未知であった物流業・海運業について詳しく学ぶことができました。正直、この講義を聴くまでは物流業界は視野に入っておらず、女性が活躍する場ではないと思い込んでいました。しかし、飯田様のお話でこうした偏見は完全になくなり、むしろ私たちの生活に無くてはならない物流業界への興味が深まりました。「物流はストップさせてはならない」という言葉にあるように私達の生活を支える物流は大きなやりがいのある仕事だと感じました。将来の選択の一つとして考えていきたいです。今回の講義は改めて自分の価値観を見つめ直し、変えられるような良い機会になりました。貴重なお話をありがとうございました。

N.Yさん(福岡県立小郡高等学校出身)

鶴丸海運様は北九州市に本拠を置く総合物流会社で、2021年8月に創業100周年を迎えられたそうです。歴史のある企業の方のお話を聞ける機会をいただき、とても嬉しかったです。今回のご講義を聴いて、海運・物流業界の仕事は社会にとってなくてはならない存在であり、それを働きながら感じることができるとてもやりがいのある仕事であることがわかりました。何よりご自分のお仕事に誇りをもって働かれている飯田様のお姿はとても輝いて見えました。

H.Nさん(福岡県立朝倉高等学校出身)

鶴丸海運様は海上輸送、港湾荷役、陸上輸送までの一貫物流を行っているだけでなく、サービス事業で保険商品を販売していると聞いた時は驚きました。また、強い愛郷心から寺社への寄進や小学校への校舎の寄贈など、社会貢献を惜しまなかったというお話も印象的でした。働き方改革やフリーアドレスを採用した新本社ビルなどのお話も同じく印象的で、時代の変化に対応する力を持っていたからこそ100年も続いてきたのだろうと改めて思いました。飯田様は同社の職場の雰囲気について、先輩との距離が近く、相談しやすい環境だと話されていて、これから就職活動をする際にはそういった点もしっかり考慮に入れていこうと思いました。

A.Iさん(福岡雙葉高等学校出身)

今回の講義では、海運業と物流業の仕事だけでなく、鶴丸海運の会社としての在り方について、さらに会社で働くにあたっての基本的な常識や大切にするべきことなど、詳しく学ぶことができました。海運業・物流業に関するお話はこれまで聞いたことがなかったので、テーマを知ってからどのような講義を聴けるのか、楽しみにしていました。講義のなかで、飯田様が紹介された心に残っているエピソードのお話が特に印象的でした。連絡伝達に関することでしたが、自分自身、報告・連絡・相談は完璧とは程遠い状態なので、今のうちに意識して取り組んでいこうと思います。就職活動でのアドバイスもとても参考になりました。今回の講義で学んだことをもとに自分に欠けている点に向き合い、立派な社会人になれるように努めていきたいと思います。