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    2020年
    03月31日

    1/41の卒業式

    さる2020年3月12日に、2019年度の卒業式がとりおこなわれました。本年度のメディア・コミュニケーション学科卒業生は全41名。すべての卒業生と教職員が揃って門出を祝える日が来ることを、つい先日まで誰も疑っていませんでした。しかし、COVID-19の感染拡大を受けて本年度は卒業式の縮小開催が決まり、最終的に出席が許された卒業生は各学科1名のみ。教職員の列席も制限されました。そんな例外状態を経験した出席者の4年生M.Sさんが、1/41の声を率直に届けてくれました。


    未知のウィルスが流行し、特別措置のもと開催された卒業式。大学・短大・大学院の各学科の代表者と、ごく一部の先生が集まりました。入学式や礼拝の際にはびっしりと埋まる講堂の席は、ほとんどが空席でした。さらに濃厚接触を避けるため、私たちは一つずつ席を空けて座ります。となりの人との距離が遠いため、話しづらく、講堂内はシーンと静まりかえっていました。「みんなと一緒に今日を迎えたかった」と心の底から感じました。

    1月初旬、学生課から電話があり、私が卒業式の“門出の言葉”の担当に選ばれたことを聞きました。毎年学科ごとに持ち回っている代表挨拶が、今年はメディア・コミュニケーション学科の番だというのです。その中で私が選ばれたと聞き、突然のことで驚きました。後から聞いた話ですが、決定した時期が卒論提出の間近だったため、先生方の配慮で、卒業研究が終わってから声がかかる予定だったそうです。正直とまどいましたが、一生に一度の卒業式であり、これを機に4年間をじっくり振り返るためにも、引き受けることにしました。

    卒論や卒業旅行を終えた2月中旬、私は久しぶりにパソコンを開き、福岡女学院大学で過ごした4年間を思い出しながら、“門出の言葉”を考えました。入学式のこと、授業や研修のこと、葡萄祭などのイベントのことなど、いくつもの楽しい出来事が思い出されました。優しい先生方や、個性豊かな友達も頭に浮かび、大学生活で関わってくれた全ての皆さんに感謝を込めた文章を編みました。ゼミの忠先生にも添削をお願いし、よりよい挨拶にしようと2週間にわたり模索し続けました。

    締め切り間近の2月末、気持ちがこもった “門出の言葉”が完成しました。その当時、新型コロナウィルスの脅威が私たちにも迫っていました。しかし、「卒業式だけはある!」と信じていたため、“門出の言葉”を仕上げた達成感のもと、はやくみんなの前で発表したいという思いを募らせるばかりでした。

    そんな思いもむなしく、私が想像していた卒業式は中止となってしまいました。

    卒業式の約10日前、当日は学科から1人しか出席できず、さらに私が考えた“門出の言葉”を発表する場もないことを、守山先生の電話で知りました。はじめは、時間を短縮するだけで、みんなと一緒に卒業式当日を迎えられるのだと思っていました。私たちの一生に一度の卒業式。そこでまた会えるだろうと、多くの同級生と先生方が集まった卒研発表会の日にも、別れ際みんなと軽い挨拶を交わしただけでした。

    やるせない気持ちでした。行っても行かなくても辛いことは分かっていたからです。まわりの大学には、時間を短くしてでも卒業生は全員出席しているところもあり、私が出席する意味も考えました。「しょうがない」と思う一方、怒りも少なからずわきました。一生懸命つくりあげた文章を読めず、友達も家族も来ない。そんな卒業式をする意味があるのかも考えました。

    しかし、私は出席する選択をしました。難しい状況の中、私たちの健康を考えながら、人生の門出を祝おうとして下さっている方がいること、私がなんとか“門出の言葉”を読めるように尽力された先生がいること、出たくても出られない友達がいることが、頭をよぎったからです。がらがらの講堂で行われた卒業式は、一生忘れられないものになりました。

    縮小に縮小を重ねた卒業式が終わった後、学校に来られている先生方が私を迎えてくれました。その時の安心感で「今日、一人でも来てよかった」と感じました。最後まであたたかい、素敵な先生方がそこにはいらっしゃいました。「またいつか、みんなで会える日をつくるから」。そう先生方は約束して下さいました。今は少しの辛抱をするときなのだと思っています。

    3月も終わろうとしている今、この卒業式のかたちは間違っていなかったと思っています。私たちの想像をはるかに超えるスピードで、未知のウィルスは感染拡大を続けています。日に日に感染者が増える毎日。私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼしています。今、一人ひとりが感染しないよう努力をしなければいけません。そして、一刻も早く、誰もがふつうの生活を取り戻し、卒業式の日に交わした未来の約束が叶えられる世界が来るよう、祈っています。

    (2019年度メディア・コミュニケーション学科卒業生 M.S)

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