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    2020年
    02月17日

    手と足を使って学ぶ「組織コミュニケーション」:活動報告3/3 ~その3 水俣でのフィールドワークで公害・環境問題を考える~

    「組織コミュニケーション」の授業で行った水俣市でのフィールドワークの報告も、今回が最後です。四年生のSMさんの2日目の報告には、当時の水俣病闘争の様子や、現在の水俣での環境改善への取り組みなどが記されています。彼女がそこで何を感じ、何を学んだのかが伝わってきます。

     
    水俣研修2日目は、水俣病歴史考証館から始まり、チッソ正門前(下の写真)や百間排水口などの現地視察をしました。また、水俣の今の取り組みを知るために、「エコネットみなまた」の石けん工場にも行きました。あいにくの雨でしたが、有意義な1日を過ごすことができました。

    チッソ正門前.jpeg

    水俣病歴史考証館は、水俣病の患者さんと共同作業をしていたきのこ工場を改装した建物の中にあります。水俣病を過去のものとするのではなく、現在も考えていかなければならないとの思いから、「考証館」と名付けられたそうです。その名の通り、施設の中には、当時実際に使っていたもの、被害者の方から譲り受けたものが展示されていて、水俣市の資料館とは違ったリアルさが伝わってきました。当時の人々の暮らし、チッソと市民の複雑な関係、チッソと闘う人々など、多くの要素が詰まっており、一言では表せない水俣病の現実に対峙する場として受け取ることができました。教科書や資料館の情報だけで水俣病を理解するのは危険だと痛感した時間でした。

    考証館_.jpg

    私は1日目から、重要なことや学んだことをノートにメモしていました。しかし、この考証館では、メモをとる手が止まりました。山の奥地にある考証館は、そこに入るだけで当時にタイムスリップしたような感じがしたからです。ネコ実験をした小屋や、水俣湾に蓄積された水銀ヘドロ、患者運動で掲げられた「怨旗」(上の写真)など、当時の悲惨な状況や人々の悲痛な叫びがひしひしと伝わり、目に焼き付けることに必死でした。なかでも「怨旗」は、水俣病患者運動のシンボルとして印象的でした。何かに抗議をし、闘うための象徴は、現代に生きる私にとって遠いようにみえて、その実身近に感じられたからです。黒地に大きく白文字で「怨」と書かれたその旗は、闘った人たちの証であり、なかなか行動を起こせない現在の私たちへのメッセージのようでした。 

    洗顔石けん作り.jpg

    水俣病の教訓を生かし、環境に優しい石けんを作る工場で、障害をもつ人もそうでない人も共に働ける場である「エコネットみなまた」にもお邪魔しました。事前授業で、普段私たちが使っている洗剤は、環境だけでなく私たちの身体にも悪い成分が入っていることを学んだため、皆工場に行くことを楽しみにしていました。お弁当をいただいた後に、工場の成り立ちをうかがったり、工場内の見学をさせていただいたりしました。
    (上の写真は、石けんを仕上げているところです。)工場内は、環境に優しい石けんをつくるだけでなく、環境に優しい取り組みもなされていました。たとえばお手洗いをお借りしたとき、電気が消えているのは当然のこと、便器のコンセントが抜かれており、節電が徹底されていたのです。普段の生活では思いもしなかったことだったため、私がどんなに環境に目を向けていないかを痛感させられました。
     
    水俣市で分別するごみは次のとおりです(平成31年4月1日~)
    生きビン(リユースビン) 蛍光管・電球類 雑誌・その他紙類 食用油
    雑ビン(透明) 乾電池類 段ボール 粗大ごみ・破砕・埋立
    雑ビン(茶色) 電気コード類 飲料等紙パック(白色) 生ごみ
    雑ビン(その他色) ペットボトル 飲料等紙パック(銀色) 燃やすもの
    アルミ缶 小型家電(17品目) 布類(衣類)  
    スチール缶 新聞紙・チラシ類 容器包装プラスチック  
     
    また、水俣市は福岡市よりも多くのゴミの分別(上の表)を行っているため、お弁当を食べた後のゴミ分別も興味深いものでした。ゴミを分けること、ゴミを出さない仕組みとはどんなものなのかを考えるきっかけとなりました。環境を考えることは、自分たちの健康を考えることだと実感し、日頃の生活から、小さなことにも目を向けようと考えることができました。「エコネットみなまた」で購入した石けんは、現在愛用中です。

    百間排水口.JPG

    私はこの水俣研修で、現地に赴くフィールドワークの大切さに改めて気がつくことができました。3年生の時に受けた授業や今回の事前授業などで水俣病について勉強してきましたが、教科書で学ぶのと、現地を訪れるのでは、伝わり方がまったく違いました。紙媒体で学ぶと、どうしても他人事のような、人の意見を聞かされているような感じがしてしまいますが、現地で学ぶと、「この海か」「ここがチッソか」と自分が体験していることとして理解ができ、さまざまな感情が生まれてきました。特に百間排水口(上の写真、「組織コミュニケーション」担当教員の池田が2015年に撮影)は、汚染水が流され続けた場所であり、見ているだけで胸が苦しくなったことを覚えています。水俣病をはじめとした公害にもっと目を向け、現地を訪れ、見たもの聞いたものを伝えていく使命が私にはあると感じました。




     

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