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    人文学部 メディア・コミュニケーション学科

    人文学部 メディア・コミュニケーション学科Today 一覧

    2017年
    08月01日

    授業紹介:福岡アジア美術館の学芸員に学ぶ、感性のつかまえ方

    メディア・コミュニケーション学科の1年生全員が前期に履修する授業「ワークショップA」では、学科の全教員とともに集団制作に挑戦します。本年度は「光と旋律」をテーマに、講義とワークショップと制作を進めました。

    とはいえ、作品づくりはお手本がないとはじまりません。そこで今年は福岡アジア美術展にて開催されていた企画展「光をつかまえて」を鑑賞してレポートを書く課題にとりくみ、さらに同展のキュレーションをご担当された学芸員の趙純恵さんをお招きした特別講義を行いました。知らないことだらけでおどろきの連続でしたが、趙さんの心地よい口調と深い知識が利き手の理解をアシストしてくれるのか、すっかり聞き入ってしまいました。

    まずは、趙さんの個人史をうかがいます。当初は絵描きを目指して美術の世界に飛び込んだものの、ご自身のバックグラウンドと向き合って東アジアの移民史研究を進めて、それに関連した国内外での展示企画にたずさわっていくうちに、いつしか展覧会そのものがご自身の作品になっていたそうです。学生時代の破天荒なエピソードに驚きつつ、今のお仕事にもつながる一貫した興味関心の強さに、さっそく心を打たれました。

    さらに視野をぐっと広げて博物館・美術館の歴史をおさらいした上で、ふだんの学芸員の業務内容についても詳しくお話いただきました。なかでも興味深かったのは、やはり「アジア」に特化した美術館ならではのお仕事です。福岡アジア美術館の学芸員には、いまだに全貌があきらかになっていないアジアの美術を探求するべく、数ヶ月間にわたってアジア各地をまわるフィールドワークが課されるそうです。現地でしか知りえない若手作家の情報や、現地でしか手に入らない未刊行史料など、旅とともに集められたさまざまな知恵は、福岡アジア美術館の血肉となっています。こうして構築された貴重なアーカイヴをもとめて、福岡にはアジア美術に関心のある世界中の作家や研究者が集うそうです。

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    こうして美術館と学芸員についての知識をおさえた上で、いよいよ1年生が鑑賞したコレクション展「光をつかまえて」のレクチャーへと進みます。学生が書いた「はっとした作品」と「よくわからなかった作品」についてのレポートを趙さんと読み合いながら、展示全体での工夫や個別の作品を具体的に掘り下げていきます。作品に付された解説(キャプション)がどれだけ練られているのか、来館者の動線を意識した照明術、作家の詳細なバイオグラフィなどをうかがいつつ、それぞれの作品の背景にあるアジア各国の文化・時代・宗教・政治などについて理解を深めました。

    たとえば、オオカミと三角形の図像をモチーフにしたモンゴル出身の画家による作品には、多くの学生から「何を描いているのかよく分からない」との声が寄せられました。しかし、モンゴルで「オボー」と呼ばれる石を三角形に積み上げる宗教的慣習や、人間に害をなすものを駆逐する神の使いとしてオオカミを信仰する風習などをふまえて鑑賞すると、さまざまな意味合いが浮かび上がってきます。

    それぞれの作品とその文脈を知れば知るほど、異文化だけでなく自文化の特長についても考えさせられました。趙さんのお話をうかがうまで、美術の世界はすぐれた作品をつくるために技術や感性を個人的に磨いていく、孤独なフィールドなのだという印象がありました。しかし、実際にはあらゆる作品はさまざまな時代や地域の生活とつながっており、そこには他者とつながる力が備わっているのだと気付かされました。

    講義のしめくくりでは、ただ作品を見るだけでなく、感じたことをことばにすることの大切さをお話いただきました。自身の考えを外に出すプロセスをつうじて、私たちは自問自答のなかでまだ見ぬ自分と出会ったり、自身の感受性を把握したりできます。昨年秋から福岡アジア美術館ではたらきはじめたばかりの趙さんも、所蔵品や作家の情報をより深く知るためにこの展示を企画したそうです。自分のためだけの勉強はなかなか出口がみえないものの、展示をつうじてその成果を多くの人と共有することを目標にすれば、おのずと手と頭が動き出すとのこと。学芸員のお仕事に前向きに取り組む姿は、かがやいて見えるようでした。物思いにふけりたいときには、ぜひまた美術館を訪れて、作品の前でゆっくり考えをめぐらせ、ことばを紡いでみたいです。
     
    (学科Today編集担当)

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