大学・短大・大学院言語芸術学科

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

知識・技能

言語芸術作品(文学や映画)に関する深い知識と分析力を有している。

思考・判断

確かな言語(日本語・英語)能力に基づく優れた鑑賞力や思考力を有している。

意欲・態度

ワークショップ、フィールドワーク、作品制作、プレゼンテーションや論文・レポート作成などを通して実践力・行動力を培い、他者の考えを理解し自身の考えを発信する力を有している。

カリキュラム・ポリシー

  • 日本語と英語による言語能力(鑑賞力、思考力、表現力)を育成します。
  • 言語芸術に関して専門分野の異なる教員が多角的視点から研究・指導を行ない、学際的教育を実践します。
  • ワークショップ、フィールドワークや作品制作などの多彩な実践科目を配し、体験重視の全人教育を実践します。

1・2年次の必修科目は、百読百鑑I·II、日本語表現基礎I·II、英語トレーニングI·II、英語発音スキルI·II、シンキングゲーム、言語芸術基礎演習、テーマシンキング(学際的授業)など。鑑賞力や分析力を養うため、学科が選ぶ書籍・映画作品などの読解・鑑賞を行ないます。

3年次では、百読百鑑Ⅲ·Ⅳ、言語芸術演習I·IIでさらに創造力や総合力を磨きながら、体験重視の多彩な選択科目を通して実践力や発信する力を伸ばします。さらに、卒業論文をこの年次で書きます。

4年次は総仕上げの時期です。自分の学んだことを、演劇公演、作品・論文のネット配信、出版など自分のやり方で社会へ発信します。

本学科には言語芸術コースと英語教職コースの2コースが用意されています。言語芸術コースでは、選択科目において、学科専門教育科目を自由に選択できます。英語教職コースでは、多くの英語教職必修科目を通して教職に必要な能力、知識や技術を確実に身につけます。
また、本学科には希望する学生に対して、日本語を教えるための専門的な知識と技術を学ぶ日本語教員養成コースと、子どもたちに英語を教えるための総合的な力を育成する児童英語教育指導員コースを用意しています。履修を希望する学生は所定の科目を修得することでコース修了証を取得できます。

アドミッション・ポリシー

言語芸術学科は、小説・演劇・詩歌・映画など、言語を手段とする芸術(言語芸術)を新しい視点からとらえる学科です。新しい視点とは、日本語/英語、アナログ/デジタル、大学/社会といった枠組みをとりはらって、自由に学問の世界に親しむ教養を目指すものです。確かな言語力、幅広い柔軟な思考力、これらをベースにしたコミュニケーション能力、そういったものを兼ね備えた人がいわゆる本来の意味での教養人なのです。社会が求めているのは、こうした「教養」を身につけて、どんな状況にも立ち向かえる人です。

よって、言語芸術学科では次のような学生の入学を期待しています。

  • 国内外の言語芸術作品に関心をもち、読解力や表現力を身につけたい学生
  • 従来の枠組にとらわれず、自由に学問の世界を探究する姿勢をもつ学生
  • 言語芸術作品を通して得たものを、社会に広く還元したい意欲をもつ学生

このような人を養うため、国語・英語の学力による試験、面接・小論文・プレゼンテーションなどを組み合わせた多角的な選抜を行ないます。

学びの分野と特色ある授業

学びの分野

1年次より、必修科目において、基礎的な言語能力や思考力を養います。2年次より「言語芸術コース」と「英語教職コース」のいずれかを選択します。英語と日本語の言語能力養成を基本に、小説・詩・演劇・映画・アニメ・ライトノベルなどの言語芸術作品を通して、思考力、創造力、表現力の養成を目指し、3年次の卒業論文、4年次の文化発信へと発展させます。さらに英語教職コースでは、中学・高校の英語教員を目指し、英語教育に必要なスキルと、英語圏の文学・文化・芸術に対する理解力を兼ね備えた英語力を身につけます。

  1. 言語芸術コース

    日本語と英語の言語能力を磨きます。文章の理解力や分析力に加え、脚本、小説、評論などが書ける日本語力を養います。また、辞書があれば日常的な情報から文学の原書まで読みこなせる英語力を身につけます。

  2. 英語教職コース

    英語教員を目指すからには、ことばの背景にある英語圏文化への理解が欠かせません。文法・語彙・発音などの基礎から文学・文化・芸術まで、豊富な科目を通して、英語を深く理解するための素養を身につけます。

学科の特徴

  1. 英語・英語圏文学

    シェイクスピア、ワーズワース、ディケンズ、マーク・トウェイン―英語圏文化は詩や演劇、小説など言語芸術の豊かな歴史の上に成り立っています。英語の背景にある文化への深い理解が確かな英語力の土台となります。

  2. 日本語・日本文学

    4年間で文学の名作100冊、演劇・映画鑑賞100本を目標とする百読百鑑でさまざまな言語芸術に対応できる力を習得します。4年次には、脚本、小説の執筆、演劇、ラジオドラマの制作など、さまざまな形でことばによる表現を実践します。

  3. 演劇・映画研究

    演劇は理論から舞台づくりの実践まで、学年を超えて協力し合いながら学びます。映画は鑑賞力を磨き、映画制作の現場を体験する機会もあります。社会の第一線で活躍する外部講師を招き、講義を行っています。

特色ある授業

シンキングゲーム Ⅰ・Ⅱ

合理的思考、自由発想などを実践的に学び、ものごとを偏見なく捉え、多角的に、論理的に、創造的に分析・整理・伝達する基本姿勢を身につけます。

国内フィールドワーク

奈良の万葉文化や上方芸能、宝塚歌劇など芸術作品を生み出した場所について事前学習を行った上でフィールドワークを実施。作品の世界を体感して、経験学習へと高めます。

言語芸術フィールドワーク

福岡のミュージアムや劇場に赴き、運営に際しての課題やミュージアムをめぐる動きなどを視野に入れながら、その背景にあるメッセージを読み解きます。

言語芸術基礎演習

小説、詩、演劇、映画、社会学、宗教学、歴史学などの分野から自分の研究領域を定め、ゼミを選択。この学びが3年次の卒業論文へつながります。

海外フィールドワーク

フィールドワークの地「イギリス」では、イギリス英語を学ぶとともに、大英博物館やナショナルギャラリー、シェークスピア劇などを鑑賞し、イギリスの文学・文化・芸術について学びます。

卒業研究 Ⅰ・Ⅱ

3年次に完成させた論文をもとに、卒業発表を行います。ゼミごとに、ポスター・雑誌制作やプレゼン型発表などに取り組み、4年間の学びの集大成として、その成果を発表します。

学びのステップ

  • 1年次言語能力を鍛える

    「日本語トレーニング」「英語トレーニング」などの科目を通して、基礎的な言語能力を鍛えます。また「シンキングゲーム」ではゲームや共同作業を通して、思考力を実践的に学びます

  • 2年次思考力を鍛える

    「テーマシンキング」などの学際的(他分野横断型)授業を通して、物事を多角的に分析する思考力を鍛えます。また「国内/海外フィールドワーク」などのフィールドワーク科目を通して、言語芸術作品を体感し、経験学習へと高めます。

  • 3年次表現力を養う

    小説、詩、演劇、映画、社会学、宗教学、歴史学などの分野から自分の研究領域を定め、ゼミでより専門的に学びます。プレゼンテーションやディスカッションを行い、その成果を卒業論文にまとめます。

  • 4年次英語と日本語のスペシャリストへ

    卒業論文をもとに、卒業発表を行います。ゼミごとに、ポスター・雑誌制作・プレゼン型発表に取り組み、4年間の学びの集大成として、その成果を学外にむけて発表します。

取得できる免許・資格

免許・資格

どの分野を選択しても取得可能です。

本学で取得できる
教育職員免許状
  • 高等学校教諭一種免許(英語)
  • 中学校教諭一種免許(英語)
その他の条件等により
取得できる資格 ※
  • 小学校教諭一種免許
本学で取得できる資格
  • 日本語教員
    • 本学が独自に認定する資格です。(平成28年 法務省「日本語教育機関の告示基準」及び、平成30年 文化審議会「日本語教育人材の育成・研修の在り方について(報告)」に基づく)
  • 児童英語教育指導員(本学独自資格)
    • 本学が独自に認定する資格です。
  • 中学校・高等学校教諭免許取得を前提とし、基準条件を満たせば、別途子ども発達学科または神戸親和大学での通信教育を
    履修することによって小学校教諭一種免許が取得できます。

中学・高等学校教諭一種免許

中学・高校の教職課程を設けています。4年次には、中学または高校で「教育実習」を実施。本学ではそれに備えて合宿を開き、集中的な事前指導をしています。また「教員採用試験対策講座」も開講し、筆記試験対策からディスカッションや小論文まで、合格を手にするために細やかな指導を行っています。さらに、教職に携わる卒業生を招き「教育研究会」を実施し、教育に関わる研究を深めています。

小学校教諭一種免許

中学校・高等学校教諭免許取得を前提とし、基本条件を満たせば、別途子ども発達学科、または神戸親和女子大学での通信教育※を履修することによって小学校教諭一種免許が取得できます。同大学通信教育部では、指定教材をもとに自宅で学習してレポートを提出する「テキスト履修科目」、大学から指定された日時・場所で直接教員から指導を受ける「スクーリング」、さらに「小学校教育実習」などを履修します。

  • 神戸親和大学への登録諸費(3年間で約45万円)の他、テキスト代やスクーリング時の旅費・宿泊費等別途必要

日本語教員 本学が独自に認定する資格です。(平成28年 法務省「日本語教育機関の告示基準」及び、平成30年 文化審議会「日本語教育人材の育成・研修の在り方について(報告)」に基づく)

日本語以外を母語とする人を対象に日本語を教える「日本語教員」。本学では「新たな教育内容(文化庁平成12年3月)」に基づいて「日本語教員養成コース」を開設。所定の単位を修得した学生には「日本語教員養成コース修了証」が授与されます。現在、日本、中国、韓国、台湾、タイなどで修了生が日本語教師として活躍しています。

児童英語教育指導員 本学が独自に認定する資格です。

本学の「児童英語教育指導員養成コース」の特徴は、質の高い英語教育をいかして指導員としての即戦力を養える点です。小学校で実際に英語を教える「児童英語フィールドワーク」といった実践的な授業がカリキュラムに組み込まれ、さらにJazz Chantsで有名なCarolyn Graham先生のEnglish Workshopなど、高度な英語トレーニングも受けられます。

就職・進路

就職実績

(2022年度実績/2023年5月現在)

主な就職実績(順不同)

  • an coffee and scone
  • ANA成田エアポートサービス
  • KCJ GROUP
  • アートブレーンカンパニー
  • 朝日国際学院
  • アサヒ緑健
  • ウィルオブ・ワーク
  • エイブル
  • エスケーホーム
  • オモヤ
  • 九州共栄システムズ
  • ザ・リッツ・カールトン福岡
  • サン・ルート
  • シミズオクト
  • 新日本製薬
  • 精華女子高等学校
  • ソウルボート
  • 大信薬局
  • タカラスタンダード 福岡支店
  • とうじ
  • ドラッグストアモリ
  • 南国フルーツ
  • ニューオータニ九州
  • 博多大丸
  • ハニーズ
  • ヒューマンアカデミー
  • マーキュリー
  • マイナビ
  • リライフ
  • ルマックス経営会議室
  • レカム   他
  • 企業名・団体名は内定当時のものとなります。

卒業生からのメッセージ

学科ならではの体験が就職の強みになりました。

K.Kさん SMBCコンシューマーファイナンス株式会社人文学部 言語芸術学科(福岡市立福岡西陵高等学校出身)

  1. 言語芸術学科を選んだ理由は?

    私の好きな映画やミュージカルなどを教材として、さまざまなことを学べる学科だからです。「海外フィールドワーク」や「舞台制作」など、学科ならではの授業での経験は就職活動にも役立ちました。

  2. 内定先を選んだ理由は何ですか?

    社員の方々の人柄が良く、このような先輩方と一緒に働きたいと思ったからです。また、福利厚生がしっかりしていて、女性の働きやすい環境があることも選ぶ決め手になりました。

  3. 進路就職課はどのように利用しましたか?

    3年生の後期から本格的に就職を意識し始め、進路就職課主催の講座やセミナーに参加しました。不安なことがある時は職員の方に相談にのっていただき、安心して活動に取り組めました。

  4. どのような社会人になりたいですか?

    1日も早く仕事を覚え、さまざまな提案をしてお客様から必要とされる存在になりたいです。大学で学んだことを最大限にいかし、みんなから憧れられるような女性になるのが目標です。

教員紹介

教員紹介

研究室訪問

学問分野について

  • about you先生の研究分野について

    専門はシェイクスピア研究ですが、イギリス文学・文化全般に興味があり、現代イギリス演劇の翻訳などもしています。

  • about field研究分野の現代社会との関係または現代社会での位置づけについて

    社会は人と人との関わりなしには成り立たないものですが、人との関係づくりほどややこしくてシンプルにいかないものはありません。社会を生きていくうえでは人間とはどんな生き物なのかを知る必要がありますが、それを教えてくれる教材として、文学ほどピッタリなものはないと思います。文学には様々な文化、時代の多様な人間関係が描かれていますので、それを読むことはいくつもの人生を疑似体験するようなものです。文学を読めば人間社会や人生が、今までよりはわかるようになる。自分を客観的に見つめることができるようにもなる。文学は自分や他人をもっと理解するためにはとても役に立つものです。現代は人と人との直接的接触が少なくなってきていますので、なおさら文学が果たす役割は大きいと思います。また勇気をもらえる言葉や教訓もたくさん詰まっていて、生きていくうえで支えとなると思います。

  • about field所属する学部学科教育のなかでの位置づけをお教えください

    私は主にイギリス文学の科目を担当しています。昔から「英語のミッション」と呼ばれるほど、本学は英語教育に力を入れていますが、私が所属する言語芸術学科の三つの研究分野の中にも「英語・英語圏文学研究」があります。ここでの英語教育の特色は、言葉の背景となる文化や文学についての十分な知識を得たうえで英語を理解し使えるようになることを目的としていることです。学科の専門科目のなかに「海外フィールドワーク(実践)」がありますが、これも単なる語学研修ではなく文学文化にゆかりの地をめぐる研修旅行で、言葉の背景を知りながら英語を学ぶことができ、とても人気があります。

福岡女学院大学について

  • about university本学の学生のイメージは?

    一人ひとりがユニークな宝石の原石を持っていると思います。けれどそれに気づいていない人や磨き方がわからないでいる人も多いです。一人ひとりを大切にするという本学の教育理念がありますから、親身になってサポートしてくれる教職員や友達がたくさんいます。まわりの力を借りて、のびのびと個性を伸ばして輝きを放ってほしいです。

  • about university本学での学びを通してこんな人物に育って欲しい、というイメージがあれば教えてください

    失敗を恐れずにやってみたいと思うことにチャレンジできる人になってほしいです。失敗がなければ失敗を回避する方法を探ることもできません。また、チャレンジしなければ自分の可能性を広げることもできません。学生時代はどんどん失敗し、経験を積む時間なのだと思います。

  • about university本学の中で一番好きな場所があれば教えてください

    学生ホールです。小さいながらも本格的な音響照明機材が揃っており、授業やクラブ活動で活用されています。私は学生ホールをゼミのレクリエーション(映画上映会など)や舞台制作の授業で使っています。

先生ってどんな人?

  • about you趣味はなんですか?

    好きな映画や本について学生とおしゃべりすること。言語芸術学科にはマニアックな学生さんもたくさんいて、話がはずみます。

  • about you今熱中していることはありますか?

    深夜に海外ドラマを観ること。睡眠時間を削られてもやめられません。

  • about you一番リラックスできる時、それは何をしている時ですか?

    コーヒー片手にお菓子を食べているときです。イギリス好きとしては紅茶といきたいところですが…。

  • about you(学問か仕事かプライベートを問わず)今一番関心のあることは何ですか?

    自然に触れること。キャンプや山登りなど。自然の中にいると小さなことも気にならなくなって原点に帰れる気がします。いつかゼミ生と一緒に屋久島に行って樹齢数千年の縄文杉に会いたいです。

  • about you今目標としていることは?

    学科でちょっぴり流行っているモルック(フィンランド発祥の野外スポーツ)を定期イベントにしたいです。学生vs教員チーム対抗戦もやってみたいです。

  • about you先生(個人)の夢を教えてください

    ここ数年社会状況などの影響でゼミでのレクリエーションが思うようにできませんでした。ゼミでパーティや旅行がしたいです。

  • about you簡単に説明すると、ご自身はどんな人ですか?

    よく天然と言われますが、本人にはまったくその自覚はありません。日当たりの良い場所に置いて時々好物のバナナを与えていれば元気に育ちます。

  • about youお薦めする本を3冊教えてください(できれば専門書籍以外で)

    • 谷川俊太郎文・tupera tupera絵 「これはすいへいせん」
    • ハロルド作石 「7人のシェイクスピア」
    • ブレイディみかこ 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
  • about you好きな映画(ドラマ、演劇、ストーリー)を教えてください

    ピーター・ウィアー監督 「いまを生きる」

  • about you座右の銘や格言、高校生に送りたい言葉があればお教えください

    Sweet are the uses of adversity.
    逆境から得られるものほど素晴らしいものはない
    (シェイクスピア『お気に召すまま』より)

  • about you最も影響を受けた人物、尊敬している人物をお教えください
    また、その理由又はその人物の魅力をお教えください

    小学生の頃の絵画教室の先生は人と違う感性を大切にしてくださいました。高校時代の英語の先生は勉強が苦手だった私の得意科目を伸ばしてくれ、おかげでその他の科目にも興味が出て勉強がおもしろくなりました。大学時代のゼミの先生は「教え子が自分より活躍してくれることが何よりの恩返しなんだよ」と言ってくださいました。他にも人生の節目に励ましや道しるべをくださった方にたくさん巡り合うことができました。その方々に共通するのは、人の可能性を信じて応援を惜しまないということです。それは私の大きな目標になりました。