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2016.07.22

西日本シティ銀行会長 久保田勇夫様による特別講義を開催しました

7月6日(水)、国際キャリア学部1年生を対象とした「Freshers Seminar Ⅰ」の講師に株式会社西日本シティ銀行の久保田勇夫取締役会長をお招きし、「『グローバル社会』をどう生きるか、どう学ぶか」と題して、特別講義を行っていただきました。

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久保田会長は福岡県のご出身で福岡県立修猷館高等学校、東京大学法学部をご卒業後、大蔵省(現在の財務省)に入省され、国際金融局次長や関税局長、国土事務次官などの要職を歴任されたのち、外資系金融機関の会長などを経られて、平成18年に西日本シティ銀行の頭取に就任され、平成26年からは同行の会長を務められています。会長には福岡女学院のアドバイザーも務めていただいています。

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ご講義では、長年にわたり日米構造協議など国益にかかわる重要な外交交渉に練達な英語で携わられてきたご経験をもとに、モノ、カネ、ヒト、情報が、国境を越えて活発に移動する「グローバル社会」について、他の国からの影響を直接、かつ多く受けるようになり、世界の仕組みが米国など力の強い国の制度に収斂しがちで、そうしたなかで自国の利益をどう守っていくのかが重要になっていると解説いただきました。そして、その「グローバル社会」に備えるためには、世界や日本がどう変わりつつあるのかを知る必要があり、海外のメディアにアクセスし、「グローバル社会」で実際に働いてきた人から話を聞くなどして正確な情報を得ることが大切とお話しいただきました。

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続いて、「グローバル社会」とは「国境」の存在を前提としたものであり、自分の国のことを知ることが極めて重要であるとお話しされ、具体例として国家間の交渉後の懇談では源氏物語や歌舞伎、明治維新など日本の文化や歴史について聞かれるような機会も多く、そうした時に答えられないとまともな交渉相手とはみなされないことなどをご紹介いただきました。

「グローバル社会」に備えるためにもうひとつ急務なこととして、英語の力をつけることの大切さのお話もされ、日本の英語学習における文法偏重の問題が指摘されることがあるものの、国際交渉や企業間の契約では文法は極めて重要であり、日本で文法の学習をしっかりやっていることは間違いではなく、「日本で英語を話す人の文法力は決して他国に引けを取っていない」とのことでした。

また「英語は相手に通じればそれで良いという話もあるが、会話はその人の品格・教養を示すものであり、気を付けなければならない」ともアドバイスいただきました。そのうえで、日本人の英語改善法としては、①先ず結論を言うこと、②文章を短くすること、そして、③論理的に話すことを挙げられ、音節で話す、ポーズ(休み)をとる、リズムを識ることの大切さも指摘いただきました。また、リラックスして、大きな声で話すことが重要であり、大事なことは「綺麗な英語」より「わかる英語」を話すようアドバイスいただきました。ヒアリングについても、CNNやBBCのニュースを分からなくても3ヶ月程度、聞き続けることで、突然理解できるようになるとアドバイスいただきました。

講義後の質疑応答では、平成28年6月19日付の産経新聞に会長が寄稿されていた「経済理論の体系的把握を-望ましい政策提言のために-」を読んだ3年生からの「日本の潜在成長率の引き上げのために不可欠であるとされていた構造改革は特にどのような分野で必要だと思われますか」(国際キャリア学科3年K.Tさん-聖和女子学院高等学校出身)という質問から、「西日本シティ銀行でアルバイトしていますがお客様に寄り添った温かい社風を感じます。どのような人材を求められていますか」(国際キャリア学科3年C.Oさん-福岡県立筑紫高等学校出身)という就職活動に関わる質問、さらには「トップに求められる資質や心構えは何ですか」(国際キャリア学科1年M.Kさん-福岡県立八幡高等学校出身)「久保田先生の今の夢は何ですか」(国際キャリア学科1年S.Hさん-大分県立大分舞鶴高等学校出身)など様々な質問が寄せられ、久保田会長はときに笑顔を浮かべながらやさしく、丁寧にお答えいただきました。

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「グローバル人材育成」を教育目標に掲げ、世界で活躍できる人材を育成する国際キャリア学部ですが、学生は熱心に聞き入り、時にはメモをとったりと、とても良い刺激となったご講義でした。

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講義後、理事長室にて。運営にあたった国際キャリア学科3年生の学生スタッフと高島学長、そして久保田会長の高校の同級生という十時理事長、西原事務局長と記念撮影をされました。