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2021/02/09
キャンパスだより
古賀市との包括連携協定事業の一環として小野小学校で6年生児童を対象に保健学習を行いました

本学では、2015年より包括連携協定の一環として古賀市、小野小学校、看護大学が共同で「成長発育期にある児童が最大骨量を獲得できるように、自分の体を知り、生活習慣を見直し、健康な生活に関する知識を持つ」ことを目的に健康プロジェクトを実施している。毎年、小野小の児童を対象に、骨密度測定や1週間の生活習慣調査、それら調査・測定結果を経年経過がわかるように出力した個人票の返却、そして、それらをもとにした保健学習会等、様々な活動を共同で実施してきた。

6年目となる今回は、コロナの影響等もあり、健康プロジェクトの重点対象学年である6年生だけを対象に、例年の骨密度測定に加え、新たに体組成測定を実施した。その結果から、自分たちの体は、骨のみならず、筋肉も含めて現在成長過程にあることを自覚することの理解を含めて、今回の保健学習を行うことになった。この学年は、健康プロジェクトの重点対象学年で、2年生以降の各学年で、その授業計画や学級活動(以下 「学活」と表記)の課題に即し下記の表のような内容の保健学習を、計画的に保護者参観日等の機会に組み込み実施してきた。今回は、6年目、いよいよ対象学年も最終学年となり、集大成としてこれまで各学年で学んできた学習内容を想起しながら、「健康」について考えさせることになった。

1月29日13時50分から小野小6年生、2クラスの授業が始まった。今回の授業のめあては、「将来にわたって『健やかな体』をつくるために大切なことを学ぼう」である。授業中、児童は、担任が発する学習のポイントを尋ねる質問に対し、まるで予習をしてきたかのようにスラスラと回答し、その反応から今までの学習が知識として定着していることがうかがえた。この学習活動を通して、中学になってからも成長発達段階にある自らの健康を守り育む意識を持ち続ける必要性とそのための生活行動の有り方について個々に考え、実践する方法について話しあった。

学年

テーマ(授業科目)

学習方法と学習のポイント

2年生

「睡眠と生活リズム」(学活)

生活リズムの朝型と夜型タイプによる「元気」の違いを自分たちの体温をサーモメータで計測したり、歩数計等で比較して学習した(保護者参観日)。

3年生

「運動」と「健康」(保健)

夏に低く、冬に高かった自分たちの骨密度の値を比較して、暑かった夏の生活を振り返り、運動の大切さを学んだ。

4年生

「おやつのカロリー」(学活)

1/2成人式で、活動量計をつけて、運動でカロリーを消費することの難しさを体験し、おやつのカロリーの見方や適量範囲について学んだ(保護者参観日)。

5年生

「バランスのとれた食事」と「健康」(家庭科)

5大栄養素について学び、その特徴を生かしたオリジナルパワーアップみそ汁の作成について考えた(保護者参観日)。

6年生

「食事」、「運動」、「睡眠」と「すこやかな生活」(家庭科)

生活習慣(食事、運動、睡眠)と「健康」との関係について、今までの学習のポイントを元に振り返り、健康だと成長発育につながり、不健康だと生活習慣病の発症に続くことについて学んだ。

この6年間、文部科学省の科研費を元にしてきた研究活動は今年で一端終了するが、小野小では6年生が学んできたことを後輩たちに継承するための方法が検討されていると聞いている。
健康プロジェクトは、当初の目的であった児童の骨密度の増加と保健学習の効果だけでなく、保護者も巻き込んで、学校と行政、大学の共同による児童の健康管理システム体制の構築など、一定の成果をもたらした。